top of page
君を憶う

 僕はその日以降、もっと自由に生きるようになった。もちろん園香の身体を粗末に扱うわけではなく、いろいろと抑えていたことや我慢していたことを解放するように、だ。
 まずは、家族に記憶が戻ったことを伝えた。それから久しぶりに高校時代の園香の友人に会って遊んだ。
 今でもあの夢のことは時々思い出す。園香の身体を奪って生きることの後ろめたさを振り払い、前を向いて、胸を張って生きることを決意したあの夢を。
 僕が白河園香としての人生を謳歌することで、僕の中で生き続ける園香も笑顔でいられるんじゃないかなって思うようになった。
 これが僕の答えだ。僕はいつまでも君と一緒だ。大好きだよ、園香。

bottom of page