数時間後、私は機械を運びながら
彼女の病室へと訪れた。
「おまたせ、早速始めてしまいましょう」
「うおおお~!なんかすごそうだぞ!!」
「これが霊魂吸引機となります。国の認証もとっています」
「かなり・・・ごついですね・・・」
「このチューブのついたマスクをつけてください」
「あ、はいっ」
「お姉ちゃん・・・どうなるんだ?」
「この霊魂保管容器に一度移し替えておいてですね」
「ペットボトルみたい・・・」
「施術後に身体に開放いたします」
「なるほどー」
「では・・・参りますよ? 覚悟はできましたか?」
「・・・は、はいっ!!」
「お姉ちゃん頑張れ!!」
「では!」
マスクの固定を確認し、スイッチを押す。
ゴウンゴウンと唸りを立て機械が作動。
実を言うとこの機械導入後、
私にとって初めての患者への使用になる。
最初は信じられなかったが、事例や成功例を見て
今回この方法に頼ることにした。
「・・・ッ・・・ぅ・・・なんか吸われて・・・」
「お姉ちゃん!?」
「危ない!触らないで!」
「っ・・・っ・・・っ!!」
ずぽんっ!!
彼女の口から勢いよく青色の何かが抜けでた。
その青いものは機械の中を通り…。
「よかった。一応成功です」
「おおおお! ほんとにお姉ちゃんだ!」
『ぇ・・・ここは?』
ペットボトルの中に、青く半透明な姿の彼女がいる。
「あなたは今魂だけの存在となっています。ではこちらへ」
『え、どこへ?』
「危険な目に合わないよう保管庫がありますので」
『あ・・・はい・・・ほんとに痛くなかった・・・』
彼女が危険な目に合わないよう、
少し離れた保管庫の中に彼女を待機させて置いて、
先ほど病室に置いていた機械を回収。
「おや・・・」
「・・・」
病室では弟君が椅子に座りすやすやと眠っていた。
どうやら叫びすぎて疲れていたんだろう。
「では手術を! 急いで!」
すぐさま看護婦に指示を出し、
彼女の身体を手術室へと連れ込む。
霊魂は分断してあるものの長時間は危険だ。
「手術は簡単な壊疽の駆除。さっと終わらせるぞ」
全員の額に汗がにじんでいる。
麻酔を描けずメスを持ち彼女の身体に・・・
「ひゃぁんっ!」
「え」
「あっ・・・しまっ・・・」
メスが身体に触れた瞬間・・・。
ビクンと彼女の身体が揺れた。
「な、どういうことだ!?」
「・・・ばれ・・・てる?」
「魂が残って・・・いや、君はまさか・・・」